ヒトラーという政治家を選んだのは紛れもないドイツ国民である。
ヒトラーの思想に多くのドイツ国民は陶酔し、賛同した。
では、なぜヒトラーは、ドイツ国民の民意を得られたのだろうか?
1928年のナチス党はわずか12議席だった。
しかし、その後、ある出来事をきっかけにナチス党は大躍進をする。
1929年10月24日「暗黒の木曜日」にニューヨーク株式市場の株価が大暴落した。
世界恐慌である。
その影響はドイツにも波及し、3人に1人が失業者という状況にまで追い込まれる。
そして、1930年には107議席にまで一気に勢力を拡大する。
ナチスの根本をなす思想は民族主義であった。
「ゲルマン民族は世界で1番偉大で優秀な民族である」、と。
自信を失いつつあったドイツ国民にとって、ヒトラー率いるナチス党の主張はとても気持ちの良いものに聞こえたであろう。
そして、ドイツ国民の怒りの矛先は諸外国と、国内のマイノリティ人種に向かう...
だが、このような民族主義は別に珍しいものではない。
人は多かれ少なかれ、自分の所属する大きい枠組みにアイデンティティを求める。
それは出身の町であったり、市であったり、県であったり、高校であったり、大学であったり、国であったり、人種であったりする。
自分の立場が悪くなればなるほど、人はそういったものに縋るようになる。
元々極右政治家は存在していて、不況などが契機となって、そういった政治家にスポットライトが当たる。
ドイツではヒトラーにスポットライトが当たったが、もしヒトラーが居なかったら、ヒトラーに近い人物にそのライトは当たっただろう。
イギリスのナイジェル・ファラージ
フランスのマリーヌ・ルペン
オランダのヘルト・ウィルダース
アメリカのドナルド・トランプ
例を挙げるとキリがないが、極右政治家というのはどこの国にも存在する。
スポットライトがどこに向くのかは、国民次第である...
タカユキの三日坊主ブログ
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